この本を編纂したのは近江町市場の初代自治会長 矩 繁命 氏。
江戸時代の享保六年1721年における近江町市場の成立から昭和55年の近代化事業「近江町消費者会館」の完成まで。
偉大な諸先輩方が強烈な使命感をもって大きな情熱を注ぎ込み、現在の市場を作ってこられた歴史である。
明治37年「官許青草辻近江町市場」の認可。
大正12年から昭和7年に至る十年間にわたって続いた「近江町騒動」は、近江町市場の小売業者と魚市場(魚問屋)との間で闘争が繰り広げられたのである。
金沢市民に適切な価格で鮮魚を届けるために小売業者がその使命に燃えた歴史だ。
大正14年。金沢市内で初めてアスファルト舗装の完成。
昭和21年の終戦直後には飢えに苦しむ市民のために豊漁のイワシを販売。長蛇の列で買い求めた市民は生色を取り戻した。
近江町市場の人々は「市場の復興は市民の健全な心身を養うことにつながるという思いで、皆一丸となって頑張った」。
昭和31年アーケードの完成。上空から見ると丁度「女」の字に見えていた。
昭和40年振興組合法にもとづいて近江町市場商店街振興組合設立。
昭和53年12月、第一次食料品商業地区高度化モデル事業を活用して全国第1号の実施。
全国第1号にて近代化を実現。
この頃、正月元旦の午前零時から初売りを開始。それを待ち兼ねて大勢集まった金沢市民に対し、初おみくじを配って、その景品にはお鏡餅。燃える商魂となって金沢市民に奉仕していた。
歴代の近江町市場を支えてこられた先輩方には全国どこよりも早くことを成し遂げる進取の精神と、「金沢市民の台所」を支える強烈な使命感があったのだ。
そして、現在の近江町市場再整備。
今年の12月にはいよいよ一階部分がオープンする予定である。
その成立から287年目を迎える今年。諸先輩方の築き上げてこられた近江町市場の伝統と「金沢市民の台所」としての使命と心意気。
これらを更に発展させ、近江町市場成立以来の理念である「金沢市民の台所」としての本来の姿を追求するべく、我々の世代が中心となって立ち上がります。







