社長兼女将の湯木佐知子氏。
会社再建の顔として夫を継いで社長を任されたが、内緒でやっていた不正が内部告発によって次々に露呈。「転げ落ちるようにキャンセルが相次いだ」と涙で謝罪会見する女将。「のれんにあぐらをかいた」とも語った。
老舗中の老舗。日本の食文化を代表して世界にその存在を知られた「吉兆」。
昨年、賞味期限の偽装や産地偽装が問題になった時だったろうか。船場吉兆の役員はその原因を納入業者や従業員の責任として自らの関与を否定した。
僕はこの時に船場吉兆の命運は既に尽きていたのではないかと思う。百歩譲って従業員のミスだったとしても、その責任は全て経営者が負うべきものであり、まかり間違っても納入業者、ましてや従業員の責任にするようなことがあっていいはずが無い。
経営者や役員にとって、日頃自社を支えてくれている社員は、何があっても守り通さなければならない存在のはずである。
「問題が露呈したことが問題なのではなく、表面を取りつくろうだけの対応のほうがもっと大きな問題を生む」とは、尊敬する武沢信行氏のメルマガ『がんばれ社長!今日のポイント』中の言葉だ。
問題が露呈したとき、経営者として、一人の人間として。どのような発言を行い、どのような行動を起こすか。会社の行方は、経営者の対応次第によって良くも悪くもなってゆく。それは、ひとえに経営者の人生観や人格そのものにかかっているのではないだろうか。
常に最悪の場面を想定しながらも、物事は楽観的に進める。
社長には、とてつもない責任と共にそれを成し遂げたときの大きな喜びが表裏一体となって迫ってくる。人の一生を賭けるに相応しい、誇り高い仕事でなければならない。







