日本海の活きのいい魚があふれる金沢市民の台所・近江町市場。七代目魚屋が日々の思いをつづります。 大松水産

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■ 「“ここ一番”で踏ん張れる人間になれ」

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致知出版社のメルマガに 「和の鉄人」道場六三郎さんの修行時代の話があった。
月刊誌 『致知』1999年3月号の特集「一流と二流」に掲載されているそうだ。
あまりにも感動したのでご紹介します。

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 「“ここ一番”で踏ん張れる人間になれ」
道場六三郎氏 (銀座ろくさん亭主人/※掲載当時)

神戸観光ホテルで修業したときは、往生しましたよ。

板長にいじめられたんです。
僕、仲居さんとのチームワークをよくしようと思って、
彼女たちに気を使っていたから、
けっこうかわいがられていたんです。

だから「ろくさんお願いね」って、何かと声をかけられる。
それは本来、板長とか上の人を通してもらわないと
いけないことだったから、板長はおもしろくないわけです。

僕は当時20代前半。
向板(むこういた)という魚をおろす係をしていました。
それ以外に板場の進行役でもあったから、
1日15、6時間は働きましたよ。

忙しいからなるべく早く調理場で準備したいのに、
板長が意地悪をして開店の1時間前でないと
調理場に入れてくれない。


準備にはどんなに急いでやっても、
たっぷり2時間は必要でした。

僕は調理場を動き回り、いつも以上に
「早く、きれいに」仕事をする工夫をするわけです。
そんな様子を見た先輩は、僕のことを「駆逐艦」と
呼んでいました。

それでも板長は「このボケ、遅いぞ」と
罵声を浴びせてくる。
せっかく作った料理も気に入らないとひっくり返される。

それが毎日毎日続くものだから、
「もうこの商売をやめようか」と思うようになった。

僕は子どもの頃から辛いからといって、
途中で投げ出したことはない。
それがこのときばかりは、真剣にやめようかと考えました。



でも、考え直したんです。


せっかくここまで修業してきたのに、
やめてしまったらまた一から出直しでしょう。


ここが踏ん張りどころだと思いました。


そして「どうやっても、もうこれ以上はできん」と
いうぐらいまでやってみることにしたんです。




「早く、きれいに。早く、きれいに」



と唱えながら、死に物狂いで仕事をこなしました。
どんなにいびられてもへこたれない僕を見て、
板長のいじめも徐々におさまっていったのです。

あのとき頑張れたからいまの僕がある。
もし、苦しいことから逃げ出すことを選択していたら、
ズルズルと落ちるところまで落ちていたと思う。


人生には「ここ一番」という踏ん張りどころが何度かある。

どんな分野でも一流と呼ばれるのは、そういう
「ここ一番」の局面で踏ん張ることのできる人だよね。


二流は踏ん張れないから、いままで築き上げてきたものまで
ガラガラと崩してしまうんだ。
人間、一度でも崩れることを許したら
崩れグセがついて、次の「ここ一番」も頑張れない。

 

 

というものだ。
僕自身の人生で「“ここ一番”の踏ん張りどころ」とは
どこだったのだろうか。
いくつかの場面が思い出される。

いや、しかし、まだまだ。
まだこれから、僕にとっての『ここ一番』がいくつも訪れるだろう。
その時にどこまで「踏ん張る」ことができるか。
そこで、僕の人生の価値が決まるのだ。

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